長らくマンチェスター・ユナイテッドを牽引したキャプテン
ウェイン・ルーニーが古巣エヴァートンに復帰することが確定した。
この移籍が大きな反響を呼んだことは間違いない。ただ大きな批判はほぼなかった。これはモウリーニョの手腕とも言えるだろう。
衰えを隠せないルーニー
エヴァートンへの移籍、ユナイテッドを出ることを決断するに至ったのは、ルーニー自身、自分の衰えを感じていたことも多かったはず。明らかに強いキックが蹴れなくなり、ミドルシュートやサイドチェンジという選択肢を失い、プレーに幅がなくなり、怖い選手ではなくなっていました。
これはシーズン中に、筆者も問題提起したが、周りにも大きな影響を与えていたはず。
嫌味でもなんでもなく、普通に疑問なんですが、このパフォーマンスで、ルーニーは、チームでの居心地をどう感じているのだろう。周りの選手は、彼をどう見ていて、ルーニーはどう接しているのだろう。本人も、チームメイトも、監督も、扱いが難しいだろうなと、個人的に思う。レジェンドの衰えは難しい
— 内藤秀明 (@nikutohide) 2017年5月7日
戦術的な側面もそうだが、チームとしてどうまとまるかを重要視する監督であるジョゼ・モウリーニョとしては、リスペクトと苦々しい気持ちの間で悩んだはず。この衰えた偉大なキャプテンをどう扱うのか。
モウリーニョがとった決断とは
何もケアなしに放出に踏み切れば、ロッカールーム内も、OBからも、サポーターからも大きく批判されるはず。
だからこそ、モウリーニョは周りに認知させるしかなかったのだろう。
「ルーニーは残念ながらピークを過ぎた選手である」
と。だからこそある程度、昨シーズン、プレーさせることで本人にはラストチャンスを与え、周りの人々にも、ルーニーの現実を直視させるという選択肢をとったのかもしれない。
つまりモウリーニョは批判らしい批判を発生させることなく、カップ二冠、チャンピオンズリーグ権獲得というピッチ上で結果も残し、チームの新陳代謝に成功したと言える。
ポルトガル人監督の真意まではわからないが、それでも残した結果が全てだ。そう考えればモウリーニョさすがと言わざるをえない。
いずれにしても、ユナイテッドは一歩前に踏み出した。踏み出したからは後戻りはできない。
ただシーズンが始まり、敵として合間見えるまでは、ルーニーへの感謝の気持ちを胸に抱いていたい。
書き手
氏名
内藤秀明(ないとうひであき)
プロフィール
専門誌に寄稿するプレミアリーグ専門のサッカーライター。イギリス留学時にFA公認コーチングライセンスを取得。2012シーズン以降約200試合現地観戦。プレミア特化ブログを運営。実はマンチェスター・ユナイテッドサポーター。
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